2017年08月17日

南浜 (2) 町並より

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 事代主神社の斜め向かいに目立つ町家があった。1階と2階に瓦吹きの「うだつ」があって、屋根は優雅な曲線で膨らんでいる。2階の窓の欄干は木材を曲げて組み込まれているようだ。1階の格子は縦と横の2段になっている。派手ではないが、凝った建物であり、豪華と言ってもおかしくない。もちろん、何度か修復していると思われる。南浜の通りをちょっと歩いただけだが、その限りでは最も立派な住宅だった。

 全国どこの町もそうであったように、南浜の町家も側面がびったりと隣の家にくっついていた。火事になればどんどん延焼する。それで、たいていの建物の両側に簡単な防火壁が設けられている。これも「うだつ」であり、「袖うだつ」というらしい。それよりも頑丈に作られ瓦屋根が付いているのは装飾的意味あいが強く、町家にあっては資金力を誇示するものだった。

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 そこから少し歩いたところの町家に、不思議な看板がある。おたふくさんの面に、「ムヤ造車〇」と書かれている。〇の部分ははげ落ちたというより、わざわざ剥がしたように見える。考え込んだ。右から左への横書きだから、これは少なくとも戦前の看板ではなかろうか。〇の部分は「店」か、あるいは同じ意味の文字だと思う。では、「造車」とは何か。調べてみたが適切な意味に出会えなかった。

 ただ、この住宅は八木家で、道路の向かいに「八木自動車」があって、現在は自動車の販売修理を行っているようだ。家の裏には古い修理工場らしい建物もあるから、長年この仕事をしてきたのだと思う。しかし、だからといって、「造車」が自動車の販売修理を意味するとは限らないのではないか。不可解だ。家の人に聞けば分かるかもしれないとは思うが、「まあ、いいか」とつぶやいて立ち去った。

 南浜の街並みも次第に現代風の建物に代わってきている。工事中のところもある。その工事は、よもや修理ではないだろう。おそらくではなく、間違いなく解体工事なのだ。

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posted by kaiyo at 14:30| 徳島 ☀| Comment(0) | 鳴門市 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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